先日参加した2部構成のセミナー、そのうちの1部のお題は「MO」。
MOはMotivating Operationの略で、日本語訳は「動機づけ操作」です。
MOには二つの効果があり、その一つが強化子の有効性を変えること。
ものすごく簡単に言うと、同じ「一杯のかけそば」でも、お腹ペコペコ状態の時と、今さっき焼肉食べました状態の時とでは、受け取る人にとっての価値が変わってきますよって感じの話です。
この理論を動物のトレーニングに応用することがよくあります。
いつものフードを強化子(ごほうび)として動物をトレーニングしようとするとき、動物のお腹があまり空いていないときよりも、お腹が空いている時の方が強化子としてのフードの価値は高まります。
しかし、この理論だけを知ってしまうと「じゃあ、トレーニングのためにご飯を抜けばいいやん!」と安易に考えてしまうことになりかねません。
トレーニングの時にしか食べ物がもらえないと、当然強化子としての食べ物の価値は上がります。
動物は、食べ物を得ようと必死になってトレーニングに取り組むかもしれません。
いつもよりキビキビと言うことを聞いてくれるかもしれません。
しかし、我々が動物とトレーニングをする目的は「動物の生活の質の向上」です。
トレーニングの時にしか動物が食べ物を与えられないとなると、トレーニングによって動物の生活の質が向上したとは決して言えません。
特に「人間が発するキュー(コマンド、指示)に対して正しく反応しない限り、食べ物は一切もらえない」という状況を作り出している場合。
これは完全に動物福祉の理念に反しています。
「言うこと聞かんと殴るよ」と「言うこと聞かんと食べられんよ」は、本質的になんの変わりもありません。
行動の科学や理論を知ったからといって、それを運用する側の倫理観が伴わないと、学習者を知らず知らずのうちに苦痛下に置くことになります。
そのことを再確認させてくれる、とっても良いセミナーに参加することができました。

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